一から学ぶブッダの教え-生きている人の苦を減らす-

全く何も知らないところからブッダの説いた苦を減らす教えを学んでいくブログです。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

カーラーマ経

一区切りついたと言ったブログですが、とても大切な教えが抜けていましたので、今回は番外編です。 これはブッダがカーラーマ一族に教えた内容で、ブッダの一番弟子で智慧第一と呼ばれる阿羅漢のサーリプッタ尊者は、これが一番貴重な教えだと言ったと伝えら…

実践する仏教

一ヶ月ほど続けてきたこのブログも、大体一通りの事は説明できたのではと思います。まだまだ各論や詳しい話はありますが、内容があまり多くなると「一から学ぶ」人には読む気が失せると言う懸念も生じます。なので、このブログも今回の記事でとりあえず一区…

在家で出家する

こちらのターン・プッタタートの短文にもあるように、在家、つまり普通に家に住んで仕事の収入で生活する人でも出家に近い修行をすることは可能です。 そもそも悟るためには何をしなければならないのでしょうか。それは家から外に出る事ではない事は明らかで…

お酒を止める(○○を止める)

喜びの満足の威力から生じる欲望が苦の原因だと言うのがブッダの教えですが、それを聞いただけで誰もが「はい、わかりました」と言って大好きなお酒、食べ物、テレビ、音楽、性的な行為云々の喜びの対象を止められるならそれこそ「苦」労はありません。 「言…

取(執着)と滅苦の関係

苦の原因である取(執着)は、四つに分類されます。愛欲の満足への執着である欲取、見解への執着である見取、儀式儀礼などを含めた誤った滅苦の方法への執着である戒禁取、何でも「自分」あるいは「自分のもの」と認識する執着である我語取です。 この最後の…

考え(理性と妄想)

ブッダの教えには考えは苦*1、と言われることもありますし、熟慮して真実をありのままに見なさいと言われることもあります。一見、考えては駄目なのに熟慮するの?と矛盾している様に思えます。 この「考え」と言う単語がくせものなので、言葉の定義をしっか…

怒りを抑える実践方法(その2)

話を戻しますと、そもそも何故エレベーターで待たされて、これほど怒るのでしょうか。それは「少しでも早く目的の場所に移動したい」と思っているからです。何故早く移動したいのでしょうか。「一秒でも多く待ちたくない。」と思っているからです。何故そう…

怒りを抑える実践方法(その1)

怒っている状態は幸福な訳がなく、実際には地獄で、生きている間に死人となっています。 しかしそうは言っても怒りの感情と言うのはかなり素早いので、中々発生を抑える事が難しいものです。それに一度怒ってしまうと中々腹の虫が収まらない 、と言う人も少…

肉体の生存欲求と性欲、怒りの発生

人間だけでなく生物は自分の肉体を生き残らせることに極めて執着すると同時に、確実に迎える死に対応する目的として遺伝子を残すこと、つまり子孫を残すことにも執着します。したがって、生き残る事の次に強い執着は性に関する事になります。あり得ない仮定…

八正道(苦集滅道のうちの「道」)

ブッダは苦を無くすために、事あるごとにこの八正道(八支正道)を説いています。八正道は四聖諦の苦集滅道のうちの「道」である滅苦の方法です。 これは、下記に示す八項目からなります。 1.正しい見解(サンマーディッティ) 2.正しい志(サンマーサン…

四つの聖向聖果(滅苦の様相)、特に最初の段階である預流者

今回は苦が減った人とはどの様な人なのか、特に最初の解脱の段階である預流者について見ていきます。 大多数の人が属する、喜びに満足している人の世界である世間地(世俗の境地、ローギアブーミ)があります。そこから解脱の方向、つまり出世間地(世俗を超…

十二縁起の形で見る苦の集と滅

喜びの受を凄く欲しがること、つまり渇望が苦の原因です。渇望してもし喜びの受を享受できると満足の威力でまた渇望します。これはずっと繰り返され、繰り返すほどに症状は酷くなります。お金持ちほどお金に貪欲になる様なものです。今回は苦の原因と消滅の…

渇望(欲)による苦の発生原因と、苦の消滅の様相

これまで何故苦が生じるかは何回かに渡って説明してきました。特に内側の原因である受(感覚)に対する渇望があると、必ず苦になります。 例えばある男性が大層惚れ込んでいる女性が他の男性と二人でいて、楽しそうに話してクスクス笑っているのを見ればその…

苦とは(四聖諦)

一度ここで苦についてその分類をしてみましょう。ブッダは苦から逃れるためには四聖諦を必ず知る必要があると言っています。四聖諦とは苦集滅道の四つです。「苦」は苦とは何か、「集」は苦の原因は何か、「滅」は苦の消滅はどのようか、「道」は苦を消滅さ…

両岸の話、触(その2)

前回は内外(内側二つ、外側一つ)の原因が全て揃って苦が生じる事を説明しました。今回は具体的に内外の原因の例を見てみましょう。 例えば自分にとって凄く面倒で嫌な事を頼まれたり、自分が良いと思っているのとは違う方法で物事を進められたりすると、大…

両岸の話、触(その1)

前回の縁起は少し難しかったかもしれませんが、苦を減らすためにはとても重要な話です。今回はその縁起(因果)の中で特に重要な触と受(感覚)について見て行きたいと思います。 触とは何でしょうか。触は目耳鼻舌体心(六処入、六根つまり物理、精神的内部…

縁起(原因と結果:因果の法則)

これまで述べて来たように、人は無明(無知)が原因で真実を明らかに見られないので、煩悩に騙されて欲に目がくらんでいます。ブッダは苦しみを無くすために、苦しみが何故発生するのかと言う原因を探りました。例えば病気が発生するのを防ぎたい場合に、そ…