一から学ぶブッダの教え-生きている人の苦を減らす-

全く何も知らないところからブッダの説いた苦を減らす教えを学んでいくブログです。

渇望(欲)による苦の発生原因と、苦の消滅の様相

 これまで何故苦が生じるかは何回かに渡って説明してきました。特に内側の原因である受(感覚)に対する渇望があると、必ず苦になります。

 例えばある男性が大層惚れ込んでいる女性が他の男性と二人でいて、楽しそうに話してクスクス笑っているのを見ればその惚れている男性は嫉妬で大変苦しい思いをする事になります。
ではその男性が「この苦しみは彼女に惚れ込んでいる渇望の状態が原因だ。惚れていなければこの様な苦しみは生じない。」と正しく苦の原因を見て、彼女への恋慕の思いをきっぱり捨てた後、その男性が再び彼女が他の男性と二人でいて、楽しそうに話してクスクス笑っているのを見て苦しむでしょうか?
その男性が彼女への恋慕の思い、つまり渇望をきっぱり捨てているのなら、彼が以前味わった苦しみは当然生じません。

 この例と同様に、目耳鼻舌体心の六処入(六根)のどれについても、好ましい形音香味触考を渇望するなら、必ず苦しみが生じます。

 しかしもしその様な渇望をきっぱり捨ててしまえば、どんな種類の苦も生じません。これが、苦の原因と苦の消滅の様相です。