一から学ぶブッダの教え-生きている人の苦を減らす-

全く何も知らないところからブッダの説いた苦を減らす教えを学んでいくブログです。

悟るまで

 シッダルタ王子は季節に応じた三つの城を作ってもらったりと、とにかく手厚く遇されて育てられた様です。 しかし、王子は誰でも必ず老い、病み、死ぬことを見て、この世が苦しみに満ちている事を知ります。それを何とかしたいと切実に考えた王子は、ラーフラと言う息子が生まれてから間もなく出家します。29歳の事とされています。
 その後王子は六年厳しい断食などの苦行を行いました。しかしあるとき苦行が心の進歩に繋がらないと思い立ち、食事を受ける事にします。 王子はスジャータと言う長者の娘から乳粥の布施を受けた後菩提樹の下で座り、生老病死を越える法則を悟らない限り二度と立ち上がらない決意をして熟考を始めたとされています。
 王子は王城に戻ればこんな苦行をせず、様々な望みの地位や物が手に入る生活がある、と言う抗い難い誘惑を悪魔と見抜き、これに打ち勝ちました。更に熟慮観察した結果、遂に王子は全ての苦しみには欲望が隠れている事が真実ありのままに見えました。このときに全ての人は首に縄を繋がれ、首輪にぶら下がった小さな餌、つまり欲望の満足を互いに奪い合っている様な状態だと明らかに知ったのです。この明るさを智慧の光、などと言います。比喩であり、電灯の光のような我々が目で見る電磁波のことではありません。
 生きること(心地よい生存に執着すること)は苦しみであり(苦諦)、身勝手から生じる欲望、そこから生じる執着が苦しみの原因であり(集諦)、欲望と執着に支配されなければ苦は消滅する事(滅諦)と、苦の消滅に到る方法(道諦)、全てが見えたのです。この悟りは後で説明する縁起や、それを簡単にした四聖諦(苦集滅道)と言うものです。この偉大な悟り、大悟によって王子はアラハンサンマーサンブッダとなり、ここに目覚めた人ブッダ(Buddha)が生まれました。